コイノカオリ

フォロワーさんが呟いてた文章の一節の虚無感に惹かれ、
図書館で借りてきてしまった。

･･･私は子どもの付属品･･･

香りがテーマ、かつ、複雑な恋愛事情。
６人の女性作家による短編集です。
女性だからこそ書ける繊細な心理描写だぁ。。。

香りっていうより、匂いってかんじ？
活字ニガテなので、短編集はやはり読みやすい。
（↑京極なっちゃんの長編は読めるんですけどね～）

not爽やかな恋愛ものだから読みやすくて、あっという間に読了できました。

◆水曜日の恋人　角田光代　

習い事が終わったあと、
母とイワナさんに連れられ、一緒に喫茶店に行く描写はなんか好きですけどね。
毎回色々なとこに連れて行ってくれる。
それは子どもながらに楽しみだろうなあって。
でもまぁよく不倫相手と実の子どもと一緒に飯食わせるよなぁと思うのですｗ
しかも習い事させてるときに、らぶほでアレコレ、ｵｲｲｲ事後かよってｗｗｗ
そういう無神経だからこそ、私（主人公）の知らない話を平気でして、気遣ったりはしないのだ。。


やがて月日は経ち、大人になった主人公も不倫してるとかもうねｗ
遺伝子かｗまぁ罪悪感ない母見てるからだよね、、、
母とイワナさんから匂ったシャンプーの答え合わせできましたね･･･。

中学生目線からのどこか世界を冷めた目で見てて、背伸びしてる描写は好きですよ。
母に振られたイワナさんとの小デートも、いいよね。
大学生と中学生だよ～ヤヴァイｗ（二次元的には美味しい）


◆最後の教室　島本理生　

これは恋っ気が強い恋愛なんだなぁ～というのが率直な感想。
つまるところ、わりと自分の感情が強め、かな？
ほんとに心から惹かれていたら年上４０女でも余裕じゃん？ｗ
それでも好きだっ！って思うほうが青臭くて好きなの･･･ｗ
そして梨本さんが年齢を気にして別れる展開をｒｙ

見た目２０代後半に見えて好きになっておいて、
実は４０代と知っただけで、冷めちゃうの？？
お前の恋愛感情なんだったん？？
今迄梨本さんのどこを見てたんだ？？？
って思った。

まぁ、高校生なら、引くか･･･。
えっ、でもさ、やってるじゃん。
その時に気付くと思うけどｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
２０代と４０代のお肌違いすぎるから。

私２０代のとき、３０代後半かと思って好きになった人が
実は５０近かったけど、好きな気持ち変わらんかったよねぇ。
だって、その人自身に良さを感じて好きになったから。
片想いでしたけどｗ

まぁ、こういう恋愛もあったねー、梨本さん結婚か～ってオセンチになってる
主人公に対して、ああそうですかーう～～んって感じ。

これが若さってやつなのか･･･。
せめてお墓にレモンもっていってやれ。


◆泣きっつらにハニー　栗田有起　

逞しい人達のおはなし。
とってもJKらしい心理描写で、この中で一番明るい文体の様な。
個人的には「ママ」と主人公は結ばれないんだろうなぁとは思う。
ママがなんか恋愛にはあまり興味がなさそうでさ。
ママと呼ばれてますが、男性オーナーへのあだ名？です。

自分よりも不遇で、それでも懸命に今を生きるママのこと、
更に好きになっちゃうよなぁと思いつつ。
でも、好きな人が努力してるんだから、頑張れるよね。


◆海のなかには夜　生田紗代　

居心地良いのに苦手っていう、矛盾めいた心理描写は女性作家ならでは？
なんだかその気持ちはわからんでもない･･･。

あ～なんだか別れるのが惜しいよね！
でも結局苦手だから、別れてしまうんだよねぇ。
目の前が海、、、そこで別れ話とか、もうね、怖いね。主人公にとってはね。

これは一昔前の時代なのかな？
女子大生の日常をそのまま切り取った感がある描写が良かった。

ラストが不穏。
あの親子どこに行くの？→海に行くかもよ→トンネルっていうこの行き詰まり描写。
心中しに行くのかと思ってしまったよね。
海は主人公にとって死の象徴なのだろう？


◆日をつなぐ　宮下奈都　

そう、この小説の一節をフォロワーさんが呟いていたのだ･･･。

見知らぬ土地で旦那の帰宅が遅いなか、ワンオペ育児やってる人の
気持ちを理解できる小説じゃないかね？
つのる孤独感のなか、双方疲労感を溜め込み続ける夫婦は、すれ違いを始めてしまい･･･。

一番感情移入できた作品だったし、最後どうなるのかもう冷や冷やしてたよね･･･。
秋田は自殺率一番多いって書かれてて、これはやべえ修ちゃんが過労を苦に
自殺するかもしれんと･･･。
読み進めていけば、ふわっとした終わり方で、ええええええええええええ？？？って
不安になったけど、、、
多分前向きな展開になるだろうなって思ってるよ･･･。

これだけ修ちゃんと向き合おう、もっかいがんばろうって、美味しい料理作ろうって、
苦しみのなかから、一歩、勇気を出して、一歩前向きに進んだんだ･･･。
美味しい食材を買って、帰宅したら、『別れよう』って。
そうなったらさ～もう壮絶鬱展開で、ツライ･･･ツライ･･･。
いやそれはそれで、小説のストーリー的にはアリかもしれんけど。
ただ女できたから別れようではないと思うけど（コンビニ弁当食ってるとか、忙しくて食べてないとかという描写から）

やはり救われてほしい･･･この夫婦うまくいってほしい･･･と願わずにはいられない･･･。

修ちゃんからのお話は、きっと･･･
転職をしたいと、もっと家族と一緒にいたいと、
主人公ちゃんと向き合いたいという話じゃないかな、と思いたいです。

お互いが、向き合って、絆を強める展開になると信じているよ･･･。


◆犬と椎茸　井上荒野　

離婚寸前の熟年夫婦。夫のぎこちなさ･･･ｗ
まりえさんは夫をモトカノにとられるという不安があったのかなぁ。
主人公はずっとずっと、まりえさんに嫉妬していたんだろうなぁ。

ヨシヤと結婚をして、幸せになって。
そうして自分の夫婦生活はうまくいっていないのだから。
 
どこかで期待してたんだと思う。
まりえ亡き後にヨシヤさんに会って２人きりになってはみたものの、
まりえを愛する気持ちに気付いて、改めて失恋してしまったのかもねぇって。

 
なんだか６話の中で、一番業が深いんじゃないかって思いましたよね･･･。

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